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INITIATION / TRIST (GERMANY)
Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-01-12 08:40:00)
2000-2003年発表のデモの2008年再発盤。500枚限定。
…なんかデジパックの紙質、かなり汚れが付きやすそうなんですけど(笑)。
バンドサウンドは用いず、SEや音響効果を駆使して抽象的な風景を描いていくアンビエントスタイルで、目を強く瞑った時に瞼の裏に見える光の明滅をそのまま音にしたかのような神秘的な音。宇宙的な感覚もありますが、DARKSPACEが大気圏外に出ることで外宇宙にアプローチした音なら、こっちは瞑想で内宇宙に降りていっている感じ。LUNAR AURORAの近作同様、どこか人間の根源的な畏怖の感情を刺激するような情景が浮かぶんですが…Aranはグラフィックデザインの会社も立ち上げているらしいし、だからこそこういう抽象的な情景を巧みに描けるのかもしれませんね。
最初、風のような音がひたすら続いた時は「これ、とんでもなくつまらないアルバムなのでは…」と危惧しましたが、聴き進めるうちに自然音がスピリチュアルな光景に移り変わっていくのを聴いて、「ああ、やっぱり流石Aranだなぁ…」と感心。前述の風の音ももう一回イヤフォンで聴いたら音響処理が面白くて良かったですし。ただ、バンドサウンドもなく、メロディもほぼ排されている作風が約80分続く音はややカルトなので、このジャンル(ブラック寄りのアンビエント)をある程度聴いていて、尚且つ好きな人にのみお勧め。音楽を聴きたいときよりも、瞑想したいときに適した音だと思いますし。
…これ、手書きナンバーが入ってますが、これってもしかしてAranの直筆なんでしょうか…。だったらかなり嬉しいんですが(笑)
→同意