この曲を聴け!
Polaris / STRATOVARIUS
無の英雄 ★★ (2009-10-14 00:49:00)
自分は今作はかなり素晴らしいアルバムじゃないかなと思います。
トータルでいけば、「INFINITE」に肉薄するのでないかと思います。
「EPISODE」や「VISIONS」には及ばないかもしれませんが一級品なのは
確実です。
新ギタリストの仕事振りには関心します。作曲にも貢献していて尚且つ
その楽曲も素晴らしいです。
プレイスタイルはトルキとは違っておそらくトルキよりプログレよりな
気がします。
その他のメンバーは相変わらず素晴らしいプレイをしてくれています。
楽曲の性質上もあると思いますが、コティペルトの歌唱も無理なハイト
ーンが少なく以前よりは自然に歌えてると思います。
さて今作が賛否両論になっているのはこのバンドに何を求めているのか
によって大きく分かれるからだと思います。
以前HELLOWEENの「RABIT~」の欄にも似たような書いたことありますが、
このバンドのどこに魅力感じるかで印象変わってきます。
メロスピバンドとしてこのバンドが好きな方にはおそらく「是」の意見の
方が多いのではないかとおもいます。
そしてトルキの楽曲を求める方には「否」の意見が多いと思います。
確かに正直耳に引っかかるマイナー調の刺激的なメロディーはやはりトルキ
でないと成し得ないと思います。それは今作を聞いて正直思いました。
「BLACK DIAMOND」「AGAINST THE WIND」「DISTANT SKIES」「FATHER
TIME」のような楽曲を今後現体制で作るのは厳しいと思います。
しかし、「HUNTING HIGH AND LOW」「EAGLEHEART」的な楽曲は作り上げれる
と思います。それは各自のソロや提供した曲から感じ取れました。
確かに超名曲と呼ばれるものを作り上げるのは非常に難しいと思います。
そういう意味でトルキやヴァイキーやカイ・ハンセンは本当にこのジャンルに
おける天才だと思います。
カッコいい曲や綺麗な曲、素晴らしい曲を書くことの出来る人は増えてきてると
思いますし、このジャンルに限定しても素晴らしいソングライティングできる人
かなりいると思います。
しかしいわゆる超名曲になるにはそれだけでは不十分だと思います。そこに必要
になってくるのは個人的意見になりますが、中毒性だと思います。
トルキはこの中毒性のある曲を書くのに非常に優れています。必ずアルバムに1曲
はそういう曲が封入されてます。これが彼の天才たる所以だと思っています。
この中毒性に関しては、メロディーに起伏があればいいとか、曲の展開を考えて
っていう技術的視点だけでは足りないと思います。これこそ感性です。
その感性を持っているトルキは稀少な存在です。彼が今いないのは実に寂しいです。
そういう観点からこのアルバム見ると超名曲と呼ばれるものはこの作品には
ないのが現実じゃないかと思います。しかし、佳曲は多いです。①や⑦などは
名曲と読んでも差し支えないかもしれません。
それに「ELEMENTS」シリーズ以降欠けていたメロスピ的な躍動感がこのアルバム
に満ちてます。楽曲に緊張感がよみがえってます。トルキの楽曲の良さもこの
バンドの屋台骨になっていましたが、楽曲におけるスリリングさもこのバンドに
おいてなくてはならないものです。このスリリングさは現在のトルキにはない
ものです。彼の新バンドにはこの緊張感がないのが現状です。
ヤングラジオさんも仰られてますが、壊滅的ダメージを負ったバンドがよくぞ
甦ったというのは正しい表現だと思います。
メロディックスピードメタルというジャンルにおいてこのレベルの作品はなかな
か無いです。確かに以前のSTRATOVARIUSとは違います。あの独特さというかトル
キ節を感じる楽曲はありません。しかし、これは新しいSTRATOVARIUSなのです。
表現違うかもしれませんが、カイやキスクのいなくなったHELLOWEENと同じです。
しかしそれだけでこの作品を評価してしまうのはあまりに勿体無いと思うんです。
一へヴィメタルのアルバムとしてみれば相当ハイレベルの作品です。それにいい
意味で変化してません。あくまでも基盤はSTRATOVARIUSなんです。北欧的な透明
感は失われておりません。美麗な旋律もそのままです。
大変素晴らしいメロディックスピードメタルの名盤です!!!!
長文すいませんでした。
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