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The High End of Low / MARILYN MANSON
Spleen ★★ (2009-06-29 23:18:00)
'09年発売の7th。
「『Antichrist Superstar』の再来」という表現をよく雑誌で目にしましたが、それは単にトゥイギー(bじゃなくてg)とクリス・ヴレナという『Antichrist…』時の制作中心メンバーが久々に揃ったことと、マンソンが前作の内省モードから一変してまた喧嘩売る元気が出てきたことを差しているだけだと思います。決して音があの暴虐疾走路線に回帰している訳ではありません。
音はむしろミドルテンポ中心で単調。それでもM5「Arma-Goddamn…」然り、思わず乗ってしまうリズム感があります(トゥイギーお得意?)。
歌詞は暴虐とまでは言わなくとも、バイオレント路線に戻ってきたと言っていいでしょう。前作で引っ込み気味だった中指をまた堂々と立てています。M12「We're…」が特にモロにアメリカに喧嘩売ってる。といっても「アメリカのモラル(=キリスト教)」といった明確な敵を作るのではなく、いわゆる良識一般に対してバカにした態度を取り続けてるというか。
要するに「悪魔」「ショック・ロッカー」ではなく「悪役(ヒール)」「性質の悪いクソガキ」路線を選んだようです。今年で40歳なのにガキ。ロック的な意味で理想的じゃないですか(笑)。
本作の空気は『Antichrist…』というより、B級ホラー性と荒削り性を前面に出したデビュー作『Portrait…』に近いんじゃないかと思います。前作の段階で危うく終わるところだった(=1度死んだ?)こと、トゥイギーが戻ってきたことから原点回帰に……というのは深読みかもしれませんが。

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