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Need to Believe / GOTTHARD
cozy_ima ★★ (2009-10-24 21:46:00)
GOTTHARD流ハードロック、ここに完成せり。
前々作辺りから、かなりハードロック色を強めていき、多少の紆余曲折は
あったが、本作でそのスタイルが完成したと言えるのではないだろうか。
GOTTHARDはGで、一旦完成形を作り上げたかに見えたが、OPEN以降数作は
メロディに重きを置いて、極端なバラード志向に陥った。
しかしそれでもリリースする作品はどれも名盤揃いで、メローなナンバーは
他を寄せ付けない凄みを持っていた。
LIPSERVICEでは再びハードロック色をそれまでよりは取り戻し、ロックアンセム風の
名曲をいくつも配することで、バラードの名曲と合わせて、近年稀に見る
名盤に仕上がった。
そして続く前作のDOMINO EFFECTでは更にハードロック色を強めるとともに、
モダン志向も盛り込み、一般的な評価は高い作品となった。
ただ、プロダクションが粗く、また曲数も多いこともあり、特に中盤以降の
楽曲が弱く感じられ、個人的にはこれがGOTTHARDの限界かと思わせた。
しかし、この新作は前作に感じたそういう不安を払拭するかのような快作に
仕上がった。
まずプロデューサー兼エンジニアが、デフレパードでの仕事でも定評の
あるRichard Chyckiに変わったことが大きい。
時折見せるデフレパード的ゴージャスさに加え、音が非常にタイトになり、
楽曲のスタイル的にもGの時代を彷彿とさせる要素が強い。
バラードにおけるメロディの秀逸さは、もはや後続の追随を許さないほどに
完成されているが、それに加えて、ハードロックのダイミズムにおいても
この作品では完璧なまでに完成し尽くされている。
本作は、80年代のメインストリーム全盛期の名盤である、ホワイトスネイクの
サーペンスアルバスと同等、もしくはメロディの充実度を加味すれば、それを
超える名盤と言っていいだろう。
当時、サーペンスを超える名盤はなかなか生まれなかったが、長い時を経て
GOTTHARDがハードロックの完成形を生んだ。
途中、アメリカンカントリーに根ざしたおおらかなバラードに傾倒したが、
そういう試みが血肉となって、ここにハードロックの全てを語らしむ理想郷が
結実した。
→同意