この曲を聴け! 

金剛九尾 / 陰陽座
Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-09-22 22:52:00)
2009年発表の9th。

前作を聴いた時、「いい加減バラード→お祭り曲でラストの構成は崩して欲しい」「黒猫さんががなり気味に歌う疾走曲がほしい」と思ったんですが…まずその二つが早くも叶ったのが、いち身勝手なファンとしては非常に嬉しいです(笑)。
しかもブルーズ色の強い「挽歌」やラストをスラッシーな曲で締める組曲「九尾」など、新機軸を導入しているのも良いですね。正直前作ではなんかネタ切れ感があったんですが…瞬火さん、ハングリー精神バリバリじゃないですか(笑)。

今作、歌メロが「クサさは抑え目だけど、すんなり耳に入ってくる」ものが多いと思う。「臥龍點睛」辺りからこうした傾向が現れてきてると思いますが、今作に至ってその手の曲をクサい疾走曲以上の聴き応えで聴かせる事が出来るようになったんじゃないかと思います。特に「十六夜の雨」の何ともいえない、切ない雰囲気なんかは歌詞と凄くマッチしてる。
あからさまな和な歌メロを使わなくなった分、第一印象でのインパクトこそ薄れてますが、今作はそれにも勝る聴き応えがあるので問題無いと思う。偉そうな事を言わせてもらえば、「臥龍點睛」以降の陰陽座の音楽性の、完成形と言えるアルバムなのではないでしょうか。

ただし、「鬼哭転生」の「陰陽師」のような、陰陽座の表題曲となるような楽曲がないのは結構不満かも。全体的に高いレベルで安定しすぎていて、ソツがなさすぎな感じ。二枚のパイロットシングルも「表題曲」というには多少小粒だし。願わくば、次のアルバムでは「陰陽座といえばこの曲!!」というような曲を入れて欲しい。そしてその「名刺代わりの曲」を新アルバムの発売の度に更新出来るようなバンドになって欲しい。それだけが私の望みです…なんて(笑)。

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