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Faith Divides Us - Death Unites Us / PARADISE LOST
カウガール ★★ (2009-11-01 00:07:00)
実は、恥ずかしながら本作がPLデビューです。
そして、とてつもない作品に出合ったと思える素晴らしいアルバムです。最近、なかなかここまで日に何度も聴き返す作品にはめぐり合えません。
内容については、みなさんが非常に細かく分析してくれていますが、私的にも以下のような感想です。
まず、音の構成とバランスが本当に素晴らしいです。リズム隊の重厚でいて、しかし出すぎない演奏。ツインギター編成の利点を120%生かしきった全編に渡る「リフ」「メロディ」の緊迫感溢れる絡み。「クリーン」「デス」それぞれによる表現を、これ以上ないバランスで織り交ぜ、楽曲の緊張感をさらに引き立てていくボーカル。耽美的かつ絶望的、そして一筋の光明も垣間見せる歌詞。そして、アルバム全体を覆うすべてをダークに押し包んでしまうかのごときムード。
これらの要素が、あまりにも完全にハマってしまった素晴らしいに内容だと思います。
曲単位で見ても、ノスタルジックなリフ+メロディを強引なまでの音圧で押し包み、いきなり聴き手をメランコリックダークワールドへ引きずり込む①。一瞬の光のごとくクリーンボイスを繰り出しながら、同時に非常にシニカルで絶望を詠いあげている②。アルバム中で最も疾走感のあるメロディーワークを擁しながら、まるでNEVERMOREの楽曲のごとく歪んだギターが見事に絡む④。あまりにも物悲しいメロディーから始まり、未来に対する不安と孤独を詠ったタイトル曲の⑤。耳になじみやすいマイナー調のメインラインに、ときおり顔を出すスラッシーなギターが絶妙に絡む⑥。全体的にはニュースクールデスのようなリフワークでありながら、ニック・ホルムズのカラフルかつ非常にしっかりしたなボーカルが、結局はPLの曲に仕上げている⑦。苦しいまでに心に響いて離れないメロディーが全体を支配する⑧。そしてアルバム全体を覆っているイメージを最後まで引きずって締めくくるラストの⑩。
これを機に「Draconian~」「Paradise~」の2枚にも手を出しておりますが、このアルバムがトータルの完成度としては最も強力で、また麻薬性も強い作品のような気がします。
新たな傑作の誕生です。
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