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Mission Executed / Master Project Genesis / TARGET
火薬バカ一代 ★★ (2009-12-15 21:50:00)
70年代HRに通じるスケール感や楽曲構築術、プログレッシブ・ロックばりに変拍子、リフ/リズム・チェンジを駆使した
作風をもって、「スラッシュ・メタル版CAPTAIN BEYOND」(by伊藤政則)とも評されたツインGを擁する5人組が、
デビュー作に引き続いてラルフ・ヒューベルトのプロデューサーの下、AAARRGH RECORDSから'87年に発表した2ndアルバム。
TARGETの最高傑作として、既に廃盤のCDが中古盤市場で5桁のプレミア価格で取引されている本作だが、
実際、内容の方もそれに見合ったクオリティの高さを誇る。
「MEKONG DELTAの2nd『THE MUCIC OF ERICH ZANN』にインスピレーションを得て作った」とメンバーが明かす通り、
目まぐるしく展開していく複雑且つテクニカルな楽曲群からは、デビュー作以上にMEKONG DELTA臭が漂ってくるが、
と同時にこのバンドの場合、元ポップ・シンガーという出自を持つ新Voがしっかりとメロディ(かなりクセが強いが)を
歌い、ツインGが流麗に奏でる旋律は正統派HM由来のドラマ性を備え、存外キャッチー。何よりスラッシュ・メタル
ならではの畳み掛けるような疾走感が前面に押し出されているため、テクニカル・スラッシュ系にありがちな
難解さや取っ付き難さが殆ど感じられず、個人的にはMEKONG DELTAよりもずっと贔屓にしていたり。
LIVING DEATHの3rd(あ、これもラルフ絡みの作品か)辺りが好きな人にもお薦めできる逸品。この度めでたく
リマスター再発と相成ったものの、限定再発ゆえまた直ぐ廃盤になるやも知れず、未聴の方はお早めのご購入をどうぞ。

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