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Tragic Intense / SACROSANCT
火薬バカ一代 ★★ (2009-12-31 11:04:00)
前任Voがレコーディング直前に首を切られ、よりメロディアスに歌えるタイプのVoを加入させて'93年に発表した3rdアルバム。
バンドの中核を成すドイツ人ギタリストが、元々はPESTILENCEの結成メンバーの1人だったこともあり、
プログレッシブ・ロック方面への傾倒はデビュー作の時点で既に強く感じられたが、本作ではそれがとうとう
全面に押し出され、初期の頃のスラッシュ・メタル色は消失。全編が重苦しく陰鬱な空気に包まれている。
時節柄、PANTERA辺りからの影響の跡も伺えるサウンドにキャッチーな部分はほぼ皆無。どう聴いても取っ付き易い
タイプの音楽ではなく、正直言って地味だ。個人的には正統派HMに通じる明快さを備えていたデビュー作の
作風の方が遥かに好みなのだが(2ndアルバムは未聴)、その一方で、本編の随所でハッと耳を捉える欧州風味の
ダークネスと耽美性を兼ね備えたメロディは健在で、特に重く怪しげなOPナンバー①や、アコギを使った
メランコリックな③辺りは、初期の頃の楽曲と比べても遜色はない仕上がりを聴かせ、
結構魅力的だったりするのだから評価に困る。(ヨーロッパでは本作の方が前2作よりも評価が高いらしい)
尚、終始レコード会社からのサポートに恵まれなったバンドは、これを最後に解散している
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