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Axe / AXE
火薬バカ一代 ★★ (2010-01-17 21:20:00)
ボビー・バース(Vo、G)を中心にコロラド州にて結成されたBABYFACEが、更なる飛躍を求めて活動拠点をフロリダへと移し、
マイケル・オズボーン(Vo、G)加入を契機にAXEとバンド名を改め、'79年にMCA RECORDSから発表した1stアルバム。
厳ついバンド名とは裏腹に、この時期のAXEが聴かせてくれるのは、STYXやQUEEN辺りからの影響も垣間見える、
ポップなプログレ・ハード・サウンド。殊に「美しさ」「泣き」「哀愁」といった要素にかけては、本作は
AXEの作品の中でも最高クラスで、個人的に彼らのアルバムではこのデビュー作を一番愛聴していたり。
特に、スペーシーなKeyのイントロからして既にメロメロに泣きまくっている大作ラスト・ナンバー⑨は、
哀愁に満ちた美旋律、個性の異なる2人のシンガーによる甘美なツインVoと、まるで水晶細工の如く繊細に
組み立てられたボーカル・ハーモニー、エモーショナルにすすり泣くG、そしてプログレ・ハード・バンドの
面目躍如たるドラマティックな曲展開といった、初期AXEの美味しい部分がギュッと凝縮された不朽の名曲。
それ以外にも、心打つメロディが惜しげもなく注ぎ込まれた収録楽曲に捨て曲の類は皆無で、美しいピアノの調べを
バックに、ボビー・バースが切々と歌い上げる⑤なんて、前述の⑨にも匹敵する絶品のバラードですがな。
本編の最初から最後まで、甘美な哀メロの世界に、時間が経つのも忘れてドップリと浸りきれる1枚。
90年代の再発ブーム時に国内盤がCD化された(で、速攻で廃盤になった)にも関わらず、買い逃してしまった
己の迂闊さを未だに悔やみ続けている名盤。リマスターして再々発してくんないかなー。

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