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Scarlet Fantasia Revive (岡垣正志&フレンズ) / JILL'S PROJECT
Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-02-24 21:13:00)
08年発表の東方Project HR/HMアレンジ「Scarlet Fantasia Ⅰ」の再発盤。09年発表。
同盤初回ボーナスディスクに収録されていた2曲と、「Ⅱ」の「御伽の国の鬼が島」の
リメイク版を収録の上、更に「魔法少女十字軍」「幻想郷」の2曲をヴォーカルアレンジに
差し替えての復刻。ヴォーカルには、STARLESSの荒木真為嬢を起用。
ちなみにこのシリーズ、現在「Ⅳ」まで発売されていて、来月「Ⅴ」も出るそうです。
路線としては、クサメタル特有の疾走感や劇的なメロディラインに頼りきらず、ミッドテンポ
中心でがっつりとキーとギターの絡みや、グルーヴィなリフを聴かせる様式美ハードロック。
リフ&ドラムがグルーヴ、キーとリードギターがメロと担当が分かれてしまっているきらいは
ありますが、どのパートもプロフェッショナルな質の高さで聴かせてくれるので、物足りなさは
感じないですね。むしろ東方アレンジでありながら、そのクサメロに寄りかかりすぎる事なく、
がっつりとハードロックする音には硬派さ、頼もしさといったものが感じられますね。
ただし、ドラムは…正直、「何だこれは…」ってレベルなんですけど。
時々盛り上げようとはしているものの、フレーズもなんか地味で単調だし、なにより音が
メタルらしからぬ迫力の無さ。出来損ないのダンスミュージックじゃないんだから…。
打ち込みにしてもこれはちょっとこれは…。また、女性ヴォーカルの使い方も今一つ。
せっかく低音から張りのある高音への勢いのある移行とか、良いパフォーマンスをしてるのに
ミックスが向こうでぶつぶつ言ってるような篭もったもので、正直可哀想になってきます。
…という訳で、折角実力があることはリフや楽器のバトルから伝わるし、硬派な路線も
頼もしいにも関わらず、上記の欠点のせいでIRON ATTACK!やKISSING THE MIRROR辺りの
同人メタルと比べて、魅力的とは言い難い出来になってしまってると思う。値段も高いし。
なんか、余力が残っていそうなのに、それを全部注ぎ込んでない感じが嫌なんですよね…。
少なくともドラムと(Voアレンジ演るなら)ヴォーカルのミックスはどうにかして欲しい。
あと、このバンドは選曲が旧作、書籍付属CD、黄昏フロンティア関連からの選曲が
多いのは何か理由があるんでしょうか。オリジナルCDからの選曲でも、UNオーエンや
千年幻想郷などの有名曲は避けてる感じだし。折角ジャパメタ界を支えた経歴のある
人なんだから、(東方アレンジに手を出した)どのメタルバンドもカヴァーしてるような
人気曲をカヴァーして、実力を見せてけてやればいいのに。
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