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Ironbound / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★★ (2010-03-28 02:15:00)
ボビー・ガスタフソン(G)脱退以前と以後のOVERKILLでは、断然前者の作品群を愛して止まない我が身だが、
'10年に発表された、この最新15thアルバムの圧倒的クオリティには心底度肝を抜かれましたよ。
特に、豪快に本編OPを蹂躙する①、疾走するツイン・リードGがガッツポーズ物の劇的さを誇る②、そして、
古き良きスピード・メタル・チューンの風情漂わす③という冒頭の3連発は、マッドでスピーディでソリッド、
それでいてキャッチーという、現行OVERKILLの魅力の全てが詰め込まれた名曲揃い。彼らが80年代に発表した
名作の数々だって、ここまで強力な「掴み」を有してはいなかったような?
上記3曲のインパクトが強すぎるせいで、後続の楽曲の存在が霞みがちな点は痛し痒しなれど、どっこい、
初期IRON MAIDENばりに威勢良くハジける⑥、独産パワー/スラッシュ・メタリックなGリフが鋭利に刻まれる⑨、
そしてラストを激烈に締め括る⑩と、中盤以降も逸曲揃いゆえ、テンションは最後まで高いラインを維持。
また、攻撃的な作風とは裏腹に、収録曲の半数近くが6分越えを果たすという大作主義が貫かれた内容だったりも
するのだが、立ち塞がるモノ全てを薙ぎ倒すが如き突進力と、しっかりと構築されたメロディアスな
ツインGが演出する、欧州HM風味のドラマ性が楽曲を引き締め、冗長に感じられる場面も皆無ときたもんだ。
間違いなく、ボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLの最高傑作。名盤と名高い3rd『UNDER THE INFLUENCE』』や
4th『THE YEARS OF DECAY』に匹敵する完成度と言っても褒め過ぎじゃないのでは?

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