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Septembre et ses dernières pensées / LES DISCRETS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-04-03 08:46:00)
2010年発表の1st。
ALCESTとのスプリットで知り、フルの発売を心待ちにしていた人も多かったようです。
ALCESTがシューゲイザーとブラックメタルの融合というヴィジョンを提示して以来、LANTLOSやLiAM、APATIなど様々なバンドがその路線を自分なりに踏襲した作品を作っていますが、LES DISCRETSのこの作品は、シューゲイザー寄りブラックの中でも、これらのバンドと比べても「繊細さ」において頭一つ抜き出ているように思います。
アコースティックギターを重用し、基本的にミディアム~スローで展開する曲調は、個人的にはシューゲイザー寄りブラックよりも、OPETHの「Damnation」アルバムやGREEN CARNATIONの「The Acoustic Verse」アルバムなど、プログレメタルバンドのアコースティック作品に近い気もするんですよね。ヴォーカルのまろやかな歌い上げも、OPETHのMikaelに近いスタイルですし。
ただ、それらの作品が完全にバンドの「静」の側面を表したものだったのに対し、こっちは全体をうっすらとギターノイズが覆っていたり、僅かながらブラストビートを導入していたり、ブラックの要素もしっかりあるのが大きな違いですね。ブラストパートでも、全然攻撃的な感じがせず、寧ろ疾走感が曲の儚い雰囲気を更に深いものにしてます。
要所で聞こえるトレモロリフも、小川のせせらぎのような、清浄な繊細さがあって素晴らしい。
シューゲイザー寄りのブラックって、良質なフォロワーが出てきているものの、まだALCESTほどのインパクトを残せてるバンドはいないかな…と思ってましたが、このバンドは持ち前の繊細さで、遂にALCESTに肉薄する音を提示する事に成功していると思います。
かなりメタル色は薄いので、好みは分かれるとは思いますが、この手が好きなら大推薦です。
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