この曲を聴け! 

Road Salt One / PAIN OF SALVATION
k.s.m.2 ★★ (2010-08-27 22:38:00)
>2Y1Y1Z2さん
あの……だからPt.2は『scarsick』がそうなんじゃないのかと……
(個人的には音楽として見事な黒歴史アルバムですが。楽曲としてのつまらなさを
弁護しきれなかった)

まずはアルバムの詳細について。
外版デジパックだと、アタマに「What she means to me」が追加されます。
そして、「No way」と「Road salt」が伸張バージョンだそうです。
自分はこっちを中古で入手。
今般出た日本版だと、アタマのボートラは同じですが、ラストに「Tip toe two」が付くそうです。
裏ジャケのクレジットでは、伸張バージョン曲はない模様。

さて、肝心なのかどうかは読む人任せな、内容の紹介。
私としては、『Be』『Scarsick』の「エフェクト・SEでの構成路線」から、「ヘヴィかつ
人肌の温もりを持つ悲痛な歌もの作品」に回帰してくれて、ようやく真面目にバンド作を
作る気を取り戻したかダニエル……といった感じの評価。
ただし、音は確かに、ガレージバンド風味。もしくはその昔のパブ・バンドだろうか?
ブックレットの中が、キャンプに来ている夫婦のような写真で構成されているので、
その中にあるキャンプファイヤーで奏されている音楽なのかもしれない。
とはいえ、弦楽器の響きを聴くと、アコースティックかつ埃の空気感のある屋外演奏ではなく、
スタジオで真面目に作ったんだろうなー、と思う感触もある。
変な例えだが、OPETHでいうところの『Damnation』のような作品かもしれない。
ALICE IN CHAINSとか、FREAK KITCHENとかが好きな人が半分洒落で買ってあげると
良い感じなんじゃないかと思うが……どうなんだろう?
歌詞も、どうやら「これまでの人生で常に刻んできた、個人間関係での軋轢」を綴ったような、
中期(『PE1』『RL』)路線に戻ってきたようで、いつもの日常感&暗さで一安心。

歌としては、ボーナスである①をはじめ、vo.曲として楽しめるメロディ・ラインに
それなりに富んでいるので、『scarsick』で見せた言葉の羅列やラップ調、ディスコ気取りの
声の入れ方に比べれば随分と、一聴した時点で楽しめる印象。
ダニエルの声も、『PE1』や『RL』で出てきた、有機由来の鉄錆の匂いたっぷりのメロが
所々で顔を出し、押し付けがましさが減ったように思う。
初期二枚(『Entropia』『One~』)で見られた透明感のある歌い方が懐かしくなることもあるが……。

最後に。
各曲は長さやバンドのインスト部分が薄め(歌の後ろはなかなか凄いことをやっている
ようにも思うが)なこともあってあっさりサイズだが、どうやらアルバム全体の中で切れ目が
意識されない構成になっているようだ。
次々に繰り出されてくる歌メロを追っているうちに「あれ、もうこんな後半?」と我に帰る
体験をさせてもらっている。
これは「聞き飽きていない」ことのサインではないかな……と歓迎中。
……しかし、コンセプトに反するのか何なのか知らないが、①からボーナス(しかも
美味しい曲)というのはどうなんだダニエル……本国のファンが泣くのでは?

→同意