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Facemelter / Y & T
火薬バカ一代 ★★ (2010-07-08 23:19:00)
ソロ・アルバムもあったし、来日公演もあったしで、それほど間が開いた印象はなかったのだが、実際は13年ぶりの
リリースだというY&Tの新作アルバム。再結成後の前2作が余りパッとした出来栄えではなかったので、今回も然したる
期待は抱かずに購入、漫然とCDデッキにセットして聴き始めたのだが・・・これが良い、非常に良いのだ。
往年の必殺メドレー“FROM THE MOON"~“OPEN FIRE"の流れを思い起こさせる①②の
ドラマティックな展開を聴いただけ、完璧にハートを鷲掴みにされてしまいましたよ。
FRONTIER RECORDSと契約を交わしたことが奏功したのか、本作は良い意味で「開き直り」が感じられるというか、
原点回帰の姿勢が終始徹底されており、前述の①②以外にも、名曲“FOREVER"+“MIDNIGHT IN TOKYO"
といった趣きの⑦、“I BELEIVE IN YOU"ばりにデイヴ・メニケッティのGが泣きまくるバラード⑧、
“MEAN STREAK"風味のシャープなGリフが踊る⑩等の楽曲を筆頭に、その作風はY&T全盛期の作品群を彷彿。
(ジャケット・アートワークもジョン・ディスミュークスが手掛けているし)
それでいて、年月を経て一層の表現力を獲得したデイヴのエモーショナルでソウルフルな歌声とGの腕前が、
このアルバムに現在の彼らならではの魅力を付与しており、決して単なる過去の遺産の焼直し作品には堕としていない。
不満と言えば、レオナード・ヘイズの不在と重厚感に欠ける音作りのくらいなもので、従来のファンは勿論のこと、
若いメタル・ファンが聴いてもきっと何かしら感じるものがあるであろう力作。来日公演が今から楽しみだ。

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