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Sanctus Diavolos / ROTTING CHRIST
寝坊メタル ★★★ (2010-09-16 19:38:00)
2004年作の8thアルバム。
アートワークは同郷のセス・シロ・アントンが担当し、
ミックスをフレドリック・ノルドストロームが手がけています。
さて、本作の内容ですが、彼らとしてはシンフォニック色が強めの作品となっています。
というのも、時折登場するクワイアが大きな印象を与えているためです。
ただし、クワイア以外のシンフォニック要素はほとんど見受けられないため、
シンフォニックと言うよりも、アトモスフェリックと言ったほうが正確でしょう。
シンセサイザーも用いられていますが、やはりそれはアトモスフェリックなものです。
しかし、それらは瘴気を放つかのような不気味な雰囲気を全体に与えており、
彼らの作品としては最もブラックメタルらしいブラックメタルとなっています。
ただし、どこをどう行ってもRotting ChristはRotting Christなわけでして、
北欧のブラックメタルのような吹雪のようなトレモロリフは見受けられず、
速いパートもそれほど多くはありません(ブラストビートもありません)。
ですが、それ故に、寒さを取っ払った純粋な「暗黒」サウンドが展開されており、
ミドルテンポ主体のずっしりとしたヘヴィネスにのった邪悪な空気が全体を支配しています。
ハイテンポとミドルテンポが交差し、得体の知れない混沌世界を生み出す①や、
まるで悪魔を召喚しているかのような暗黒ヘヴィリフが繰り返される②、
メロディアスだが闘争心を煽るような強烈リフでひたすら押す③あたりが印象的です。
勿論、他の曲も留まることなく暗黒を生み出すようなものばかりなので、
安心して彼ら流の暗黒世界に酔いしれ、堕ちていけると思います(笑)。
上記の曲以外では、個人的に、ラストを飾る⑩あたりが中毒性が高いですね。
ジャケットが表すとおりのMade in hell, Go to the hellな暗黒メタル作品。
彼らの最高傑作としては、次作の「Theogonia」が押される場合が多いでしょうが、
人によってはこれが最高傑作になるかもしれませんね。
→同意