この曲を聴け!
BILL WARD
0フレット ★★ (2005-02-05 22:16:00)
BLACK SABBATH という「大看板」の下。
トニー・アイオミ。オジー・オズボーン。ギザー・バトラー。
この強烈な個性とカリスマ性を前に、常に前面に、話題に上がらない存在。
「BILL WARD」
しかし、BLACK SABBATHというサウンドの完成度を構築していく上でビルの
ドラミングは「Mr BLACK SABBATH」の「称号」を得るに十二分に値する。
気に掛けずに聴いていれば、個性の薄いただのドラムだろう。
特に、「パワー、テク」これこそが聴き所。とされる若いリスナーが、
遡って聴けば、ごくごくオーソドックスなドラムに聴こえるだろう。
自らバンド等でプレイをされた事のある方なら分かると思う。
ミディアム&スローテンポの曲を上手く演奏するのがどれだけ難しい事か。
テンポキープ、間の埋め方、緩やかながらも必要なドライブ感。
現代のように「カンカン」とスネアを鳴らしていないから、ミックスダウン
のアレンジ。 ビルのドラムが目立ちきらないのはそれだけではない。
絶妙に曲(アイオミも作るリフ)と同化しているからだ。それは
「アイオミの他類無比なリフを100%生かす」これを前提に作られた
ドラムパターンだからである。
リフやフレーズに強弱がある時、その裏で結構「何か」を入れて、曲の動き、
強調を、後押ししている。コレがまた、ジャストなんだ。音は大きくない
から目立たないけど。 聴く回数を重ねると知らず知らずのうちに、この
スパイスが体にしみ込んでくる。
サバスサウンド、そしてアイオミのリフを更に引き立てる、なくてはならな
い屋台骨となっている。
そう、サバスサウンド、アイオミの引きずるようなミディアムテンポのリフ
を生かすには、「スピードや手数」ではない、「逆にココは1回抜く」
そんなビルの「工夫」に実は皆「酔っている」のを忘れないでほしい。
この「アイオミのギターとの同化」と「小さな工夫」はオリジナル期に限っ
た事ではない。
例えば「ネオンナイツ」のAメロのバック、ギターの小さなフックに合わせ
で、トン、トン、トン、トン、『トトン』と打っている。
まあ大した事をしている訳ではないけど、今この「トトン」無しで聴いたら
なんか今日はオカシイな。ってなるんじゃないかな。ハッキリとどこかは
分からなくてもね。
今一度、「最後の晩餐(DVD)」を観てほしい、フロント3人だけでなく
ビルのパワフルなドラミングを。
オリジナル期のBLACK SABBATH にとっては「ツェペリンのボンゾ」
「ストーンズのチャーリー」と全く同格なのである。
どこか武骨なイギリス人、しかし「BILL WARD」といドラマーは
紛れも無くBLACK SABBATH の25%なのである。
→同意