この曲を聴け! 

Angels Cry / ANGRA
なP ★★ (2003-12-06 22:44:00)
90年代前半のメタル界という時間軸で考えると、とてつもなく優れたアルバム。これ以前の例えばドイツ産のバンドはまだ70年代から80年代の既存のHRの空気を残していて、独特の明るさやスピード感を味付けたものだったと思うのだが、ビートのはっきりした硬質なリズム隊の上にテクニカルで美しいメロディが乗っていて絶妙に彼らの出身地域の民族音楽のエッセンスすらまぶしてある音楽性は実は新鮮なものだった。高度な音楽理論にのっとった形でシンフォニックなスピードメタルを纏め上げている。クラシカルというキーワードすら引き出しの一つにすぎないという所がすごい。んで、その引き出しの1個1個の質がどれも高い。
アンドレ・マトスの個性的なボーカルも面白いし、ふんにゃりとした声のコーラスとかも独特。Evil WarningやAngels Cryなんかにみられるリズムチェンジまで含めたドラマを演出する中間パートがさらにいい。Viperの時もやってたけど、ただのジャーマンフォロワー、イングェイ風クラシカルを手本にというんじゃこの発想は出て来ないよな。個人的にはその引き出しの一つのビートが強調されいっそう音楽レベルが飛躍する次作の方が愛おしかったりもするのだけど。

→同意