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Master of the Rings / HELLOWEEN
殺戮の聖典 ★★ (2004-11-03 14:10:00)
実験的な作風の前作「CHAMELEON」は、ファンがHELLOWEENに求めていたメロディが希薄であったため、圧倒的に否の意見が多かった。
マイケル・キスク、インゴ・シュヒテンバーグの脱退騒動もあり、下降線を辿ると思われていたバンドであったが、元PINK CREAM 69のアンディ・デリス、元GAMMA RAYのウリ・カッシュを迎えて質の高い楽曲を配した'94年発表の本作で見事に復活した。
オーケストレーション溢れるイントロ曲「IRRITATION」からダイナミックに幕を開ける「SOLE SURVIVOR」、哀愁あるメロディと疾走感に満ちたアンディ時代の超名曲「WHERE THE RAIN GROWS」、PINK CREAM 69を彷彿させる哀愁の「WHY?」、ヘヴィなリフから壮大なサビに繋がる「MR EGO(TAKE ME DOWN)」、憂いあるアンディの歌唱がただのキャッチーな曲にさせない「PERFECT GENTLEMAN」、ゲーム音を導入したコミカルな「THE GAME IS ON」、これまたアンディの歌唱により哀愁度抜群の「SECRET ALIBI」、正統的ハード・ロックの「TAKE ME HOME」、PINK CREAM 69のような切ないバラード「IN THE MIDDLE OF A HEARTBEAT」、疾走感とダイナミックさに満ちた「STILL WE GO」と楽曲はどれも素晴らしい。
ボーナス・トラックの出来も良く、憂いと疾走感ある「CAN'T FIGHT YOUR DESIRE」は本編に収録されていても遜色のない出来だし、イングヴェイをパロった「GRAPOWSKI'S MALMSUITE 1001(iN D-DOLL)」も面白い。
HELLOWEENとPINK CREAM 69の融合といった感のある本作は「KEEPER~」時代とは明らかに違うが、新生HELLOWEENとしての未来を期待させる内容となっている。

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