この曲を聴け! 

Empire / QUEENSRYCHE
inoko ★★ (2005-01-23 20:51:00)
彼らの中で一番好きなアルバムです。確かに聴きやすいですが、決して大衆的になっているわけではないのが凄いと思います。Della Brownとかが象徴的ですが、音楽的に広がっている感じがするのが一番好きな理由です。方法論とかじゃないです。(Promised Landは方法論的に広げた作品でしょう、いわゆるプログレ的に。)この作品はマインド、気持ちが広がっていると思います。実は、マインドを広げさせるのがヘヴィ・メタルの一流どころのミュージシャンたちが最も苦手とするところなのではないでしょうか。例えばオジーが引退まで考えて作ったNo more tearsなんかにしても、メイデンの最新作に入っているjourney manなんかにしても、みんな凄く時間と試行錯誤をへてマインドを広げる営みをやってるんだと思います。
何が難しいかって、ヘヴィ・メタルでありつづけながらマインドを広げるという両立が難しいんだと思います。HMの人たちは本来不器用だと思うので。そう、マインドを広げるには「器用さ」(本当のうまさ)が必要なんだと思います。すぐれて技術的なハードルなのでは。
当作品における彼らは全身全霊でこのハードルをクリアしています。僕はここまで金属的かつ叙情的な音世界を聴いたことがありません。
余談。他のグループの話になりますが、実に素晴らしいヘヴィ・メタルでありながら、こういうマインド的な巧さに決してたどり着けない、そこだけは本当に本当に不器用な人たちも大好きです。自らの音楽の開拓に誰よりも情熱的で、常に自らを磨き続けている人たちです。あれほど柔軟かつ貪欲なのに、「そこにルビコン川がある」とばかりに、決してそうならない人たち。Killing MachineとTurboはまさしく川岸に立っていたと思いますが。そう、かのメタルゴッドのことです。(引っ張りすぎ?)彼らのような愛しきヘヴィ・メタルがあるからこそQueensryche,Empireを僕たちはHM作品として鑑賞することが出来るのだと思います。
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