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Odyssey / YNGWIE MALMSTEEN
なP ★★ (2003-02-13 01:00:00)
Rainbowのラストアルバム同様、このアルバムの主役はジョー・リン・ターナー。
この男はプロである。Heaven Tonightのプロモなんて無茶苦茶Bon Jovi風アリーナ演出をかましてしまうぐらいでしたたかな商魂がミエミエ。アメリカンドリームのまっただなかにいた人だけにこのクセの強いギタリストとの競演で自分がどのように振舞えば良いのかが分かっていた。当時の我々の認識だとなんせリッチー・ブラックモアは雲のまた上みたいな存在なわけで、「今回は格下との競演」というイメージだったのだが、ジョーは妥協しませんでしたね。これはジョー自身が上手なギタリストの大ファンで、ある種の尊敬の念を抱くことを忘れない姿勢にあることが大きい。
時代が時代だけに少しエコー感が強すぎる感もあるが、ここで聴ける歌唱は彼のベストパフォーマンスの一つと言える。最近のソロ作ではクリーンとハスキーのどっちかに振れてしまい、微妙なコントロールを失ってしまった感があるのだが、その中間部のツボを押さえたメランコリックな歌唱は絶品である。
肝心のイングヴェイなのだが、事故後でスピードをMAXで出せないということが大いに吉ど出た。っつーか、これでも十分速いっちゅーの。彼がこのようにやや抑えて弾くとAlcatrazz時代のような水晶の如きメロディのきらめきが倍加されるので、こりゃもう一番良いアルバムになることは当然のことだったのだ。友人の言葉の引用なのだが、「ブルージーな歌唱と超速ストラトが意外と合う」噛み合わせが良いということなのである。例えばマーク・ボールズのような歌唱だとツインギターのインストみたいに感じちゃうのは俺だけではないと思う。

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