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Violent / VOLCANO
火薬バカ一代 ★★ (2008-07-16 23:01:00)
GAGOYLEやANIMETLでの活動で知られるギタリスト、屍忌蛇率いる4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンド
VOLCANOが'99年に発表した、衝撃の1stアルバム。
重厚且つ攻撃的に刻まれるGリフといい、時にブラスト・ビートを織り交ぜつつ、畳み掛けるように疾走するリズムといい、
バックの演奏は完全にメロディック・デス・メタル風味なのに、その上に乗っかるVoはしっかりとメロディを歌っているという、
それまで、ありそうでなかった音楽スタイルを提示して好評を博した(プロデュースを担当したフレドリック・ノルドストロームが
プライベートでも聴きまくっていたという逸話あり。そういった関係でか、フレドリックがライナーにも寄稿している)本作。
その最大の魅力は、何といっても煽情力抜群のメロディで、金属的な感触の声質を活かし、メロディアスに歌っても
決して軟弱にならないNOVのVoも素晴しいが、白眉はやはり、本編の至る所で泣きメロを炸裂させまくる屍忌蛇のGプレイ。
その猛烈な泣きっぷりは、時に歌謡曲や演歌のフィールドにまで踏み込まんとする勢いで、あまりのベタさに
「ストロングな楽曲と水と油」「逆に楽曲の完成度を下げてしまっている」との批判もあるようなれど、なんのなんの。
パワー/スピード/メロディを兼ね備えて、ドラマティックに突っ走る②③⑧⑩、名キーボーディスト三柴聡が参加する
耽美的な雰囲気を漂わせた⑤、血の涙を流す慟哭のヘヴィ・バラード⑦といった楽曲は、このバンドならではの魅力に満ち溢れた名曲でしょう。
今聴くと、BULLET FOR MY VALENTINEやAVENGED SEVENFOLDのサウンド・スタイルを先取りしていたようにも感じられる
(気のせいか?)、ハードコアな要素と伝統的HMサウンド、そして強力な泣きメロが見事に融合を果たした名盤。

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