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So Far, So Good... So What! / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★ (2007-04-05 22:07:00)
デイヴ・ムスティンは、この'88年発表の3rdアルバムについて「手っ取り早くドラッグ代を稼ぐ為に売れ線を狙った作品」と
語ったらしいけど、一体コレのどの辺が売れ線狙い?と言うぐらい、切り裂くような疾走感といい、
鋭角的に刻まれるリフといい、噛み付くように歌う尖がったVoといい、緊張感に満ちた曲展開といい、
従来のサウンド・スタイルを受け継ぎつつも、よりドラマチックな構築美が感じられるようになった楽曲に隙はなく、
前2作同様、本作もまた捨て曲なしの名盤に仕上がっている。
特に、アルバムのOPを飾るに相応しい、壮大にしてメタリックなファンファーレ①の余韻を引き裂き、マシンガンの如く刻まれる
イントロ・リフにゾクゾクさせられる「これぞMEGADETH!」な②(元々“MEGADETH"というタイトルだったとか)、
Gが「メ~リ~ジェ~ン♪」と歌い(笑)、暗く憂いを帯びたメロディが疾走する名曲④、故クリフ・バートンに捧げられた
MEGADETH流へヴィ・バラードとでも言うべき悲痛な⑥、シャープに疾走するリズムの上を華麗に舞う
ツインGに耳奪われる⑧といった楽曲は、非常に高いドラマ性を有しながらも、決して熱くも臭くも大仰になる事もなく、
どこかヒンヤリとした醒めた空気を孕んで展開していく辺りが、如何にもこのバンドらしい。
人間関係の悪化からメンバー・チェンジが相次ぎ、デイヴとデイヴィッド・エレフソンの抱える
ドラッグ/アルコール問題も深刻さを増して・・・と、この時期、バンド内部はガタガタだったらしいが、
それを全く感じさせない素晴しい作品だ。

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