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Tyr / BLACK SABBATH
火薬バカ一代 ★★ (2009-07-05 22:42:00)
トニー・アイオミ(G)、トニー・マーティン(Vo)、コージー・パウエル(Ds)、二ール・マーレイ(B)、
ジェフ・ニコルズ(Key)という、個人的に最も思い入れのあるラインナップ(そしてオリジナル・メンバーにも
匹敵する強力な面子)によって制作された、'91年発表の15thアルバム。
前作『HEADLESS CROSS』に比べると、トニー・アイオミのGプレイがやや大人しいのと、リバーブ過多な音作りの影響か
ヘヴィネス、ダークネスに代表される「BLACK SABBATHらしさ」は若干薄まったとの印象を受けるが、その代わり、
ジェフ・ニコルズが奏でるKeyをこれまで以上に有効活用して、全体のアンサンブルと構築美重視で組み立てられた、
洗練と格調、それと北欧メタルにも通じる透明感を湛えた作風は、これまでのBLACK SABBATHの作品の中では
頭一つ飛び抜けてドラマティック。北欧神話を題材に取り上げたある種のコンセプト・アルバムという点も
楽曲のドラマ性底上げに大きく貢献しており、スケール感と荘厳さを兼ね備えた①、コージー必殺のドラミングが
炸裂するRAIBOW風味の疾走曲②、厳粛且つ劇的な④といった名曲や、本編のクライマックス足る、組曲形式で綴られる
壮大な⑤~⑦の流れを聴くにつけ、本作はBLACK SABBATH云々以前に、単純に「英国様式美HMの名盤!」と
評価したくなる次第。勿論、BLACK SABBATHならではの魅力はしっかりと保持されてるわけだけど。
ああ、一度でいいからこのラインナップでのライブを見てみたかった・・・。

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