この曲を聴け! 

Tribute / OZZY OSBOURNE
メタラァ ★★ (2004-09-26 18:07:00)
俺はランディ・ローズが亡くなった数年後に生まれた。そんな『昔のギタリスト』がまさかこんなにまでも自分を魅了するとは…、音楽を始めとする芸術活動の素晴らしさを物語る事実のひとつとして感慨深いものがある。
初めてランディの音楽に触れたのは、オジーの2002年の武道館公演のDVD「LIVE AT BODOKAN」を買って観た、ランディのいないライヴ映像でだった。「MR.CROWLEY」を聴いて涙を流した。ザックのプレイも格好良かった。が、この曲では他の何よりも、オジーの尻出しよりも(笑)印象的だったのがメロディだった。こんなメロディは聴いたことがなく、耐え難いまでの慟哭を感じた。そこで俺はランディ・ローズというギタリストに興味を持った。
そんな折、ランディの20回忌ということで深夜に特番が放送された。これは見逃せないと思いビデオで録画をし観てみる。その番組では貴重なランディのライヴ映像が流されていた。雑誌の写真で見た彼、曲は聴いたことあるがまだプレイを観た事はない彼、今は地上にはいない彼、その彼が動き、数々の名曲をプレイしている。
そして「MR.CROWLEY」がプレイされる。その魂を鼓舞するメロディ・音色・ヴィブラート、総てが想像を絶するものだった。感情の塊が古い映像・音から隕石のように、俺には成す術がなく衝突してきた。そのプレイはあまりにも感動的で、そしてもうこの人のプレイを肌で感じることはないんだなとわかると涙が込み上げてきた。
そんな俺にとって、このアルバムは重要なアルバムだ。なにせランディの唯一のオフィシャルなライヴ盤なんだから。
実は俺はオジーの1st・2ndソロ・アルバム、つまりランディが参加したスタジオ・アルバムは持っていない。それは詰まるところ、ベースとドラムを入れ替えられたヴァージョンとオリジナル、どちらから聴くのがいいのかわからないからだ。
そこで買ったのが本作である。
ライヴ・アルバムとして真っ当な意見を言えば、オジーは今より声に張りがあるし、リズム隊も上手いし、ランディのギターも勿論良いが、リズム・ギターは若干走り気味だし、ギター・サウンドの歪みもちょっと大きいかもしれない。
しかし、ここにあるのは紛れもない、ランディが残した演奏なのだ。彼が魂を込めてプレイしたライヴのひとつが、この盤ひとつにしっかりと刻み込まれているのだ。彼の、そしてオジーの魂がここに込められているのだ。その"気持ち"の前では実際のマイナス面など塵の如く消え去る。
そして彼の肉声入りの「Dee」のデモ音源。ここに収録してくれたことに感謝したい。
なんだか長くて堅くてクサい文章になってしまったが、俺のランディに対する愛情と敬意が少しでもこの文章に表れていてくれれば幸せです。
最後にひとつ、先述のランディ追悼番組の終盤でザック・ワイルドが「彼(ランディ)の曲をプレイすること自体が名誉なんだよ」と言っていたのには泣けました。しかし、編集のせいもあるとは言え最後にはしっかりと「ビールをガンガン飲め!」なんて全く無関係なことを言ってくれ笑わせてくれました。(笑)
その追悼番組、観たことのない人は是非見て欲しいです。オジーやシャロンへのインタヴューではついつい涙が出てしまいます。

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