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Digital Dictator / VICIOUS RUMORS
火薬バカ一代 ★★ (2007-04-03 21:24:00)
JUDAS PRIESTの名曲“THE HELLION"を彷彿とさせる①の劇的極まるイントロを聴いた瞬間、
その完成度の高さを確信する、'88年発表の2ndアルバム。
前作『SOLDIERS OF THE NIGHT』発表後にヴィニー・ムーアとゲイリー・セント・ピアーが脱退。
後任としてマーク・マクギー(G)と、不世出のシンガー、カール・アルバートを迎え入れ、よりバンドの基盤を
強固なものとして作り上げられた本作は、多くのファンが「初期の傑作」と認める強力な内容を誇る。
光沢を感じさせるシャープなGリフと、益々華麗さを増したツインG(ヴィニーがいなくなった事で、
2本のGの絡みが一層濃密になった印象)をフィーチュアした楽曲の数々は、アルバム・タイトル・トラックの②、
地を這うヘヴィネスとドラマティシズムを兼ね備えた⑤、ラストを締めるスピード・チューン⑩を筆頭に、捨て曲なし。
特に、ヨーロピアンな翳りと劇的なドラマ性を湛えたリフのカッコ良さは、(後の音楽性の変化を考えるに)、
彼らの全作品中、最高レベルと言っても過言ではないような。
そして、その完成度の高さに拍車を掛けているのが、何と言ってもカール・アルバートの驚異的な歌唱。
パワー/表現力/声域の広さが揃った、まさにパワー・メタルを歌う為にあるかのようなその歌声は、
楽曲の完成度だけでなく、バンドの格をも数段引き上げている。全メタル・ファン必聴の名盤。

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