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Kill 'em All / METALLICA
火薬バカ一代 ★★★ (2007-03-09 22:49:00)
自分は『...AND JUSTICE FOR ALL』でMETALLICAの音に初めて触れたクチなので、この'83年発表のデビュー作を後追いで聴いた時には、その垢抜けない音作りといい、「青さ」全開のジェイムズ・ヘッドフィールドのVoといい、ドラマティックな構築美よりもラフな勢いが先走る楽曲といい、「これ、本当にMETALLICA?」と、かなり面食らった覚えがある。ぶっちゃけ、全体的にかなりチープというか何と言うか。
とは言え、それさえ我慢できれば(慣れてしまえば)、本作は間違いなく名曲/名リフの宝庫。アルバムのOPと同時にスラッシュ・メタル史の幕開けも飾った①、パンキッシュなリフと、正統派メタリックな歌メロの組み合わせが絶妙な③、サビのドラム・フレーズも印象的なアルバムのハイライト的存在の⑥、本編随一のアグレッション撒き散らしながら激走する⑩といった疾走曲の数々は、貫禄や重量感といった要素には欠けるものの、このアルバムでしか聴き得ない刺々しい尖がり具合や、前のめりで我武者羅な勢いに満ち溢れていて、これはこれで非常に魅力的だ。
スラッシュ四天王やEXODUSのデビュー作がそうであったように、本作もまた、バンドのルーツであるNWOBHM(とパンク)からの影響が強く滲み出た、微笑ましい1枚。

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