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Iron Maiden / IRON MAIDEN
クーカイ ★★ (2002-08-31 00:07:00)
'80年発表。1stアルバム。
全てはここから始まった。
「髪を切ってパンクバンドをやるなら、契約してもいい」
レコード会社にそう言われたステーィヴ=ハリスが「そうですね。やっぱ時代はパンクですか?」などと答えていなくて本当に良かった。
IRON MAIDENがHMの創始者であることは疑いない事実であろうが、スティーヴの偉大なところは完全にパンクロックを無視したところにある。パンクロックの台頭により、'70年代HRが絶滅していこうとしているその時、"パンクを通過した新しい音"を作ったのではなく、HRの持っているハードでメロディアスでダークでヘヴィな要素を抽出し、純粋培養して独自のHMを創り上げたその功績ははかりしれない。
もっとも、ポール=ディアノの吐き捨て型ヴォーカルはパンクロックの影響が明らかで、スティーヴが目指すところとは志向性が一致せず、後に脱退してしまう。とはいえ、この1stと2ndにおけるカミソリでザクザク切り裂くようなヴォーカルパフォーマンスは、間違いなく魅力的であり、彼が居なければメイデンがブレイクするのはもっと遅かったのではないかと思われる。
ジャケットに描かれているエディは、ある意味一度死んだHRがゾンビとなって甦ったことを象徴しているとも考えられる。ゾンビだがパワーは増している。それがHMだという主張だ。
しかし、信じられないのは数年前の再発の時に、ジャケットアートがCGのそれと挿げ替えられていたことだ。これ多分未確認だがCGもデレク=リッグスなのか?同じ作者のものだとしても時代を築いたアルバムの"顔"をこうも簡単に変えてしまって良いのだろうか?どんな事情があったかは知らないが、レコード会社の非見識を強く非難したい。

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