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Dressed to Kill / KISS

エガラー ★★ (2010-08-06 20:30:00)
世界最強のエンターテイナー系ロックバンドといえばKISS。只デビュー当初の74年初頭から75年前半ごろまでは、話題性はあったもののセールス的にはいまひとつだった。そんな中、リリースされたのが75年3月リリースの3rdである。そして本作が全米32位まで上昇し、特に自動車工業都市で名高いデトロイトでは大きな話題となり、想像を絶するセールスを記録するなど、KISSをトップロックバンドまで押し上げたきっかけとなった作品でもある。とはいえセールス面ではゴールディスクどまりとなり、商業的成功に関しては初のLIVEアルバムの「ALIVE」(75年9月リリース)まで待たなければならなかったが、LIVEに関してはすでに大きな話題になってたようだ。
そもそもKISSのサウンドといえば、ハードでヘヴィなロックンロールサウンドを思い浮かべるものが多いが、どちらかというと本作は他のアルバムと比べると、ハードさとヘヴィさがやや控えめだが、その分軽快なロックンロールサウンドに仕上がっており、KISSらしさはそのままだで、それは当時KISSの曲は音がでかいから、ラジオでは流しにくいという指摘があったからで、それに対応するために、意図的にハードさとヘヴィさを控えたのだと思われる。この作品には(5)や(6)(8)(10)などの名曲が収録されているが、矢張り最も印象的なのが、オープニングを飾る軽快なロックンロールナンバーの(1)で、KISSらしいロックサウンドが印象的だが、何故(1)がKISSの名曲にならなかったのが不思議に思えてくる。またKISSの名曲中の名曲の(10)はとても軽快的で、KISSそのものともいえるようなロックンロールサウンドが見事だが、「ALIVE」に収録されているヴァージョンと比べるとヘヴィさが弱い印象が強いところが少々残念かな。(5)も同様で「ALIVE」の収録ヴァージョンと比べると矢張り、ヘヴィ不足が否めないなど、「ALIVE」を聴いてしまうと本作の欠点が浮き彫りになりかねない点も否定できないが、決して内容的には悪くない。だた名曲の(6)はヘヴィさが弱い分、それなりに良い曲に仕上がっていると思うので、いかに本作がヘヴィさが弱い点ですべてが悪いということは決してないと思う。ただし本作は初期のKISSの突破口となった作品であることは確かなので、KISSフリークであれば本作は絶対に聴くべきだと思う。
評価94p