この曲を聴け! 

死にたくなるような駄作
絶叫者ヨハネ (2006-03-05 16:41:00)
9 Royal Huntの「Paradox」

我が駄作史の中でも異色の存在です。ここで取り上げたような殿堂入りクラスの駄作の場合、一聴して、「五体を震撼させるほどの衝撃的なつまらなさ」とか「最初の一音からして漂ってくる濃厚な駄作の香り」とかがあって、すぐにその駄目さ加減がわかるのですが、本作にはそういうものが全然ありません。
よく練られた完成度の高いアルバムという感じで、サクサク聴けるのですが、終わって見ると何故かまったく印象に残らないというか、自分はいったい今まで何を聴いていたのだ?、と自問したくなるような後に残らなさが最大の特徴です。
「悪い」とか「つまらない」とかではなくて、ちょうどクルミの殻を割ってみたら中身が空っぽだった時のような「空しい」「ハズれてしまった」ような感覚といえばいいでしょうか。強烈なマイナス要素こそないものの、プラス要素がゼロなので結果的に駄作になってしまった感じです。

ところでアンドレ・アンダーセン氏の書く曲にはどうも人間らしい喜怒哀楽に欠けてると思いません? よく出来てはいるんだけど、なにか官僚型作曲家というか高級作曲マシーンがプログラムに従って出力した音楽みたいで、どうも霊感に乏しい気がします。自分の頭の中の「理想の秩序」を楽曲に押しつけすぎるせいで、曲に生命とかスピリットが入る余地がないような感じです。
→同意