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Double Eclipse / HARDLINE
190 ★★ (2001-05-16 23:40:00)
ニール・ショーンがメロディアスポップに嫌気をさし「BAD ENGLISH」の解散と同時に結成したニューバンド。
このバンドでのニールは、エッジの効いたハードなギターを自由奔放に弾きまくり、今までのストレスを一気に吐き出すかのように自分のやりたい音楽を披露している。
が、そんな中でも「JOURNEY」や「BAD ENGLISH」時のメロディアスな部分や産業ロック的な要素はしっかり継承されていて、かなりカッコイイHR作に仕上がってるゾ! ・・・内容も実にハイレベルだ!
1stシングルとなったカヴァー曲「Hot Cherie」は、バッド・イングリッシュ時代の名曲「Straught To Your Heart」を彷彿させるようなポップ且つメロディアスなロックナンバーで、相変わらずのセンスを感じさせてくれます。(これ、バッド・イングリッシュ時代からカヴァーしてたって本当?・・・)
そして2ndシングルの「Can't Find My Way」もなかなかのバラードだね。
アコギのインストゥルメンタル「31-91」から「In The Hands Of Time」へと続く閉めのバラードも美しい・・・
それから、ドライブ感あふれるR&Rナンバー「Rhythm From A Red Car」や「Everything」、
曲を大事にしたギタープレイが印象的な「I'LL BE THERE」等もすばらしい出来。
これほど質の良い作品であるにもかかわらず、結果を出せなかった要因としては、世の中が音楽的な時代変化の境目であった事が考えられる。 また「(バンドを結成する上で一番目立つ存在である)ヴォーカルの知名度の低さ」も少なからずあったのでは?・・・
その他には、やはり「アルバムの作り方と戦略」に尽きると思う。 その中で、まずアルバムにとって最も重要な役割をもつ「オープニング曲の出来ととっつき難さ」が考えられる。 2つめは、どれを「決め」のハイライトソングにし、それを何曲目に持ってくるか?という事。
質の高いハイレベルの曲がズラリと揃ってはいるのだが「“絶対"コレだ!」と言える必殺ナンバーは?・・・といった部分が懸念させる部分でもある。。。
そしてもう1つが(日本盤のみに収められた?)ボーナストラック「Love Leads The Way」の存在。 上で「福原」さんも仰られてる通り・・・多分、聴く人のほとんどが口を揃えて「なんでこんなイイ曲が?」と不思議に思うはず。 どう考えても入れるべき名曲だったことは間違い無い! ・・・何故に??
・・・ ちなみにプロデューサーは二ール本人。
(多分、わざと外したんだろうね・・・ メロディアスすぎるため、さわやかバンドに見られるのが嫌だったのかも・・・)
この頃の二ールはそういう部分に神経質になりすぎてる所がマイナスだね・・・。
「自分のギタープレイの良さはどういう所なのか?」ってのは自分で知っているはず!なのにもかかわらず、「俺はハードでパワーのある(いわゆる“へヴィメタル"的アグレッシヴなテクニック)プレイも出来るし、好きなんだ!」というのを分かってほしい気持ちがあからさまに出ているように思う・・・。
そして今でも彼にはそういう気質が少しある。 ・・・個人的に、ニールのギタープレイの良さはソコじゃないと思っている・・・。 どちらかと言うと、(癒しとまではいかないが)何となく情緒的なモノ や落ち着いて聴けるBGMっぽいモノ、それからブルースロックをやらせるとすばらしい才能を発揮してくれるんだよねぇ~・・・。パワーテクを発揮したければそっちでやった方がバッチリはまると思うよ! (これはソロアルバムをじっくり聴けば分かります! 絶品ですので)
と言う事で、ちょっと横道それてしまった。 が、このアルバム・・・方向性が少し中途半端ではあるけれど、細かい事を抜きにして普通に聴けばなかなか良質な作品です。 是非!

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