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Vanishing Vision / X JAPAN
火薬バカ一代 ★★ (2008-06-18 22:42:00)
自主レーベルEXTASY RECORDSから'88年にリリースするや、初動だけで1万枚以上を売り上げ、インディーズ作品ながらも
メジャー・チャートに食い込む大ヒット作となった、Xのデビュー・アルバム。
本作は、オムニバス盤『SKULL THRASH ZONE VOL.1』に、DOOM、JURASSIC JADE、SHELL SHOCK、GROUND ZEROといった、
スラッシュ系の強豪と共に参加する等、「歌えるVoを擁したアグレッシブなパワー・メタル・バンド」という、
当時のXの立ち位置を端的に表す内容に仕上がっていて、(良好とは言えないながらも)荒々しく尖がった
サウンド・プロダクションといい、触れれば切れそうなパワーとエネルギーに満ちた楽曲といい、
バンドの全カタログ中、最も、初期衝動に忠実な、攻撃性が前面に押し出された作風を誇る。
華麗さ、シンフォニックなドラマ性においては、後の作品に一歩譲るものの、力強く劇的なインスト曲①から
展開していくアルバム・タイトル・トラック②、シャープに突っ走る⑥、大ヒット曲(の英語バージョン)⑧といった、
切り裂くように刻まれる鋭角的なリフ・ワーク、雪崩を打って突進するリズム、ロックンロール色を排し、繊細さよりも
アグレッションの演出に重きを置いた、直線的且つヘヴィ・メタリックな楽曲のカッコ良さはただ事ではない。
ピアノをフィーチュアしたドラマティックな⑦を収録する等、次作以降で完全開花する
X流へヴィ・メタルの萌芽が既に感じられる点も頼もしい1枚。
最近、2ndや3rdアルバムがリマスター再発されたが、どうせなら、このアルバムもそうして欲しかったかな、と。

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