この曲を聴け!
Salon des Refusés / IN LINGUA MORTUA
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-10-27 21:30:15)
2010年発表の2nd。
大半の曲のVoをSHININGのKvarforthが担当してます。
前作の「メロトロンを使用したシンフォニック・ブラック」というスタイルからして、プログレ的な要素が強い作風だったんですが、まさかここまで大胆に舵を切ってくるとは…この作風なら、EURO ROCK PRESS辺りが大喜びでレビュー書きそうです(笑)。
まず一番変わったと思うのは、アンサンブルの質ですね。
いわゆる「ウネリ」のある音なんですが、ブルデス等のように、リズムがファストでリフで「ウネリ」を表現するわけではなく、まずリズムそのものに「ウネリ」があって、それに呼応するかのようにギターリフや、メロトロン、サックスなどがフリーキーに絡むアンサンブルで、ブラック的というよりも、本格的にエクストリームなプログレメタルを演っている感じ。
他にも、インスト曲の一部にDEVIL DOLLや初期WHENを思わせる、クラシックやサウンドトラックのシアトリカルでおどろおどろしく湿った部分を抜き出したようなパートもあり、感性的には殆どプログレといって差し支えないと思う。複雑な中に時折暴逆性も覗かせるドラム、ブラックらしいトレモロ、Kvarforthによる絶望と怒りが綯い交ぜになったヴォーカルなど、エクストリームメタル好きの心を掴む要素もしっかりあるのが嬉しい所。
これだけ凝った作風なのに、初聴で絶大なインパクトがあるし、1曲1曲がコンパクトに纏まってるしで、全く頭でっかちにならないのも凄い。
まだ誰もレビュー書いてないんですが、世のプログレメタラーに知れ渡って然るべき音。クオリティも高いし、上品で格調高いのに俗悪な退廃性もあって素晴らしい。
ここまで変化すると、DIMMU系を期待して聴いてる人は見限ってしまうかもしれませんが、個人的にはこの変化は大歓迎。OPETHやCYNICだけでなく、ANSURやSOLEFALDまで好んで聴いてるような方なら問答無用で「買うべき」と断言できます。
→同意