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Kilroy Was Here / STYX
火薬バカ一代 ★★ (2010-11-18 23:08:09)
アメリカはもとより日本でもシングル・カットされ大ヒット、「ドモ アリガト ミスター・ロボット マタ アウヒマデ」という尾崎紀世彦ばりの日本語歌詞の存在もあって、STYXはおろか、ロックに興味のない人からも(良くも悪くも)高い知名度を誇る“Mr.ROBOTO”で幕を開ける、'83年発表の11thアルバム。
ただ、そうしたネタ曲的な存在や、一層デニス・デ・ヤングのミュージカル趣味が強調され、ハードロッキンなエキサイトメントを薄れさせた作風、そして、その結果メンバー間の不和が引き起こされ、バンド活動が停止へと至った経緯等から、ファンの間ではハッキリと賛否が分かれる作品でもあるわけだが、近未来を思わせる『ブレードランナー』風のイントロに導かれて始まる前述の①は、ポップなメロディと芝居がかった曲展開が耳惹く煌びやかな名曲だし、琴の音色を取り入れた和風テイストが印象的な⑥を筆頭とした、③⑧などバラード系の楽曲の心地良さは特筆モノだ。
名作『PARADISE THEATER』に比べると、収録曲のクオリティにバラつきが見られ、また『PARADISE~』程の成功を収められなかった事から(とは言え200万枚オーバーの売り上げは実に立派)、STYXのカタログの中ではやや日陰者の地位に甘んじている作品だが、決して駄作ではない。寧ろ、無視するのは勿体なさ過ぎる1枚ですよ。

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