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Third Stage / BOSTON
火薬バカ一代 ★★ (2010-11-22 23:13:37)
トム・シュルツの妥協を許さぬサウンド・クラフトマンシップが災いしてアルバムのレコーディング作業が遅々として進まず、結果、所属レーベルのCBSと訴訟騒ぎに発展。それでも'86年に発表されるや、8年間の長きに渡るブランクを物ともせずにアメリカだけで600万枚以上、全世界で1000万枚以上のセールスを記録したというBOSTONの3rdアルバム。
プログレやHRテイストは更なる薄まりをみせ、ゆったりとしたテンポの楽曲が大半を占める、もはや完全にAOR世界の住人的サウンドが展開されている1枚ながら、だからと言ってそれを理由に非難するには、本作に収められた、メロウで、スペーシーで、壮大で、そして隅々まで洗練された楽曲の数々は余りにも素晴し過ぎる。特にアルバムのOPナンバーにして、いきなり本編のハイライトを飾る全米№1ヒット・ソング①、その①のバリエーション・ソングでもあるバラード⑤、「男」について含蓄あるお言葉が頂ける⑥、そしてラストを感動的に締め括る⑪辺りは出色の出来栄え。この4曲のためだけに本作を購入しても後悔はないですよ、いやホントに。
1stや2ndに比べると、個々の楽曲から受けるインパクトこそやや低下気味ながらも、行き届いた木目細かいアレンジ、それに要所にインスト曲やリプライズ的な展開を備えた楽曲を配置する等、凝った構成も健在。
前2作が気に入った人なら安心して本作も「買い」だ。

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