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Relentless / YNGWIE MALMSTEEN
H・W ★★ (2010-11-26 02:32:36)
「北欧から来たバイキング(食べ放題)」の彼が放つ、
いつもどおりのアレ、という感じのアルバム。

その「いつもどおり」が好きで好きでたまらん、という僕ではないし、
もはや彼に「別のもの」を期待するのは無駄だという事ぐらい百も承知なのだが、
ひょっとしたら、Eclipceあたりまで垣間見られた、あの構築美のあるソロイングが復活していないだろうかと儚い夢を描きつつ、またまた新作を買ってしまうのである。

結果、あーあ...orz...という事になってしまうのだが、それでも、ちゃんと最後まで興味を持って聴かせてくれるところが、彼の非凡さだ。
少なくとも、他の誰かに作れるような作品ではない、というレベルはちゃんと維持しているから凄い。
動画投稿サイトなんかを見てると、単純に弾く技術に関しては、素人でさえ、目玉が飛び出るような人材もゴマンと居るが、創作能力を含めた総合力では、もはや追従不可能だと思う。

しかし、そうは言っても、War To End All Warsぐらいからこっちの彼の作風は、流石にそろそろ御腹いっぱいと言わざるを得ない。
特に今回はインストが多いということだが、そうなると特に、初期三部作で見られる、絶妙に練られたコード進行と一音の重みを感じさせるメロディの作品に比べて、
伴奏付きのリズムマシンをバックに、思いつくまま適当に弾きまくっただけのようなここ数作の悪い印象が、余計付きまとう結果になる。

ここ数作の悪い印象といえば、相変わらず音質もザンネンなままで、中低域のもっさりした、隣の部屋で鳴っているようなサウンドプロデュースであり、この程度のものにSHM-CDなど、もったいないとしか言いようが無い。

結局、素晴らしいHM作品だと評価できる内容でありながら、こうやって毎回文句ばかりが口をついてしまうのは申し訳無いなあ、とは思うのだが、しゃあないだろう。何せ彼は本当に天才だから、彼に傑作を期待せずして、誰に期待するというのか。

まだまだこんなもんじゃないはずなんだから。

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