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Infinity / JOURNEY
火薬バカ一代 ★★★ (2010-11-26 23:20:40)
アメリカン・ロック・シーン指折りの実力派シンガー、スティーヴ・ペリーが遂に加入。これまでのインスト・パート重視のプログレ路線から、ペリーの類稀なる歌声をサウンドの中心に据えた、ポップでコマーシャルなメロディアスHR路線へと方向転換が図られた、'78年発表の4thアルバム。
所謂「JOURNEYサウンド」の基礎が形作られ、全米だけで300万枚以上の売り上げを記録、その後の大躍進の先駆けともなった本作は、実際、儚くも美しい感動的な名バラード⑤を筆頭に、「これぞJOURNEY!」と唸らされる楽曲の数々を収録しているわけだが、その一方で、ヨーロピアン風味の暗さと叙情性を湛えたメロディに、名手エインズレー・ダンバーの重厚なドラミングの存在もあって、作品全体としては、未だ産業ロック的な色合いはさほど感じられなかったりもする。
但し、重たいショットで楽曲の輪郭線を太く縁取るDsに乗って、フォーク/トラッド風味の哀愁のメロディが踊るヒット・ナンバー⑥はこのアルバムでしか聴く事の出来ないタイプの名曲だし、極めつけは、初期プログレ路線の残り香も感じられるアルバムのハイライト・ソング⑧。零れ落ちるように奏でられるKeyの物悲しい旋律、メロディアスに歌う二ール・ショーンのG、そしてスティーヴ・ペリーの伸びやかでソウルフルな歌声が堪らなく胸に沁みる、涙なくしては聴けない珠玉の逸品。(対照的な曲調の前曲⑦から、ブランクなしで繋がっていく展開もドラマティックで素晴しい)
過渡期のJOURNEYならではの魅力が詰まった1枚じゃなかろうかな、と。

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