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Frontiers / JOURNEY
火薬バカ一代 ★★★ (2010-12-03 22:59:06)
HR/HMに興味がなくとも一度は耳にした事があるであろう、印象的なイントロで幕が開く“SEPARATE WAYS”と、美しく温もりに満ちたバラード“FAITHFULLY”というJOURNEY史上屈指の名曲2篇を収録。マイケル・ジャクソンの『THRILLER』に阻まれ全米チャート№1の座こそ獲得ならなかったものの、全世界で1000万枚以上の高セールスを記録し、多くのファンから「バンドの代表作」と太鼓判を押される'83年発表の8thアルバム。
雄弁且つメロディアスに歌う表情豊かなG、ノーブルな美声を活かしてソウルフルに歌い上げるVo、透明感溢れる音色で楽曲をスペーシーに彩るKey、センスの良さを感じさせるフレーズを随所で閃かせるB、そしてタイト&キャッチーなDsとが一体となって生み出される、JOURNEYならではの都会的な洗練を施されたメロハー・サウンドは益々円熟味を増し、既に王者としての余裕と貫禄が漂う。
名作『ESCAPE』に比べると楽曲が玉石混合というか、曲によってはハードロッキンなリズム面が強調された分、メロディのフックが弱まってしまっているのが惜しまれるが、とは言え、切ない哀メロが五臓六腑に染み渡る②や、勇ましく弾む曲調が心地良い⑥、リズミカルなグルーヴが癖になる⑨辺りを筆頭に、「流石JOURNEYさんやでぇ」と唸らされる名曲・佳曲は引きを切らない。
別項で述べられているように、まさに「夜の首都高ドライブのお供にピッタリ」な、アーバンでロマンティックな魅力を湛えた1枚。『ESCAPE』と併せて持っていたいAOR/産業ロックの名盤ですね。
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