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Trial by Fire / JOURNEY
火薬バカ一代 ★★★ (2010-12-07 23:16:05)
『RAISED ON RADIO』('86年)を最後に活動休止状態にあったJOURNEYが全盛期のメンバーで再結集。'96年にリリースされるや、HR/HM冬の時代真っ只中にも関わらず全米チャート初登場第3位という好成績をマークし、世間に「JOURNEY健在!」を印象付けた復活アルバム。
一音入魂でGをエモーショナルに歌わせる二ール・ショーン、加齢により艶は薄れても、ソウルフルな表現力と節回しは健在のスティーヴ・ペリー、透明感と叙情性を湛えた音色で楽曲に絶品の彩りを加えるジョナサン・ケインのKey等、メンバーのすこぶる強力なパフォーマンスをフィーチュアした都会派メロハー・サウンドは、10年に及ぶブランクの長さを全く感じさせることなく、むしろ前作『RAISED~』以上に全盛期のJOURNEY節の美点を余すところなく継承。何より、ポップでロマンティック、アダルト且つ瀟洒な雰囲気漂わす楽曲のクオリティが相変わらず素晴しいったら。
全16曲で75分オーバーという音楽性に似合わぬ長大な収録時間と、バラード系の楽曲の多さがネックとなって中盤ダレるのが難点なれど、JOURNEYが誇る代表曲“SEPARATE WAYS”にオマージュを捧げ、バンドの再生を高らかに宣言する①に始まる「これで掴みはOK」な冒頭3曲の畳み掛けに、心地良く弾むリズムに絡む哀メロが秀逸な⑤、そしてKeyの透き通った音色が堪らなく美しく切ない⑧といった名曲の数々を聴けば、多少の粗には目を瞑ろうという気になるもの。
ファンの期待に見事に応えた復活作。・・・なのだが、それだけにこのラインナップが長続きしなかった事は惜しまれます。
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