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Arrival / JOURNEY
火薬バカ一代 ★★★ (2010-12-12 02:32:42)
バンドを去ったペリー&スミスのWスティーヴの後任として、TYKETTO~TALL STORIESのスティーヴ・オウジェリーと、名手ディーン・カストロノヴォを加入させ体勢を立て直したJOURNEYが、'00年に発表した11thアルバム。
レコード会社が11曲収録を提案したのに対し、メンバーは13曲収録を主張。結局バンド側の意見が通り、日本盤はボーナストラックを含めて全14曲を収録、ランニング・タイムは70分弱とボリューミーな内容と相成った本作だが、実際に聴いてみるとこれが不思議と中弛みを余り感じない。ゆったりとしたテンポの楽曲を中心に固められた作風は前作同様ながら、にも関わらずダレた印象がそれほどでもないのは、若々しいオウジェリーの歌声が、本編に溌剌とした空気を運んでくれているからか?
開巻早々に勝負あった!となる①②③の強力な畳み掛け、アダルトでメランコリーなバラード⑤や、二ールのGがガッツリと咽び泣く⑥、いかにも大陸的な雄大な曲調が心地良い⑨、ディーンのタイト&キャッチーなドラミングが映えるラスト・ナンバー⑬といった楽曲における、若き日のスティーヴ・ペリーを彷彿とさせる(まぁ、あそこまで神懸かった声の伸びはないけどね)ソウルフルな歌いっぷりを聴けば、彼がペリーに匹敵する実力者であることが良く分かる。
その他にも、リードVoから、ガラス細工のように繊細で美しいKeyプレイまでジョナサン・ケインが主役を張る憂いを帯びた⑪等、JOURNEYらしい名曲を各所に配置。新生JOURNEYの21世紀への船出を飾るに相応しい、見事なクオリティを備えた作品に仕上がっている1枚かと。
・・・でもやっぱり、曲数はもうちょい絞った方が良かったよな。

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