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Armageddon / ARMAGEDDON (70'S)
火薬バカ一代 ★★★ (2010-12-27 22:04:06)
YARDBIRDSにRENAISSANCEと、ブリティッシュ・ロック史にその名を刻む偉大なバンドに足跡を残しながらも、自身は33歳の若さで急逝するまで、ついぞ大きな成功とは縁のなかったキース・レルフの音頭取りによって誕生し、STEAMHAMMERやCAPTAIN BEYOND出身メンバーを擁する陣容から「スーパー・バンド」とも評されたARMAGEDDONが、'75年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
奔放且つダイナミックな曲展開や大作主義といった、70年代HR/プログレッシブ・ロック風味に加えて、切れ味鋭くアグレッシブに動き回るG、圧倒的手数の多さで迫り来るド迫力のリズム、それに四畳半フォーク・シンガーばりのヘタウマVoとのぶつかり合いによって生み出されるハイテンション&スリリングなサウンドは、現代HMバンドにも匹敵する凄まじい音圧の高さを誇り、その激烈な魅力は、OPナンバーにして本編のハイライト・ソングたる①に余すところなく集約。この、ある意味へヴィ・メタリックとも言える超名曲を聴くためだけにでも本作は買う価値あり。
その他にも、プログレ的な浮遊感を湛えた美しいバラード②、ソリッド且つコンパクトにまとまった曲中でG大暴れの③、バックと掛け合いを繰り広げるハーモニカ(キース・レルフが担当)が良い味出してる④、ラストに控えるプログレ色よりもジャジーなテイストが強く打ち出された大作組曲⑤・・・と、収録曲は粒選りだし、何より、YARDBIRDS時代から歌唱力の弱さを指摘され続けて来たキースのVoが、前評判に反してかなり良いんですよ。
線の細い歌唱に物足りなさを覚える場面が皆無なわけではないものの、本作の魅力の多くは、彼の朴訥な歌声と、バックのヘヴィ極まりない演奏が生み出すコントラストにあり!・・・と個人的には思うのだが。

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