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Curse of the Hidden Mirror / BLUE OYSTER CULT
はっちゃん ★★★ (2010-12-28 01:13:13)
支流が本流に合流しましたね。

80年代はポップでライト。90年代はヘヴィでアグレッシヴ。
そして2000年代の現在、上記の音楽性を経て本来のBOC、つまり70年代の彼等に戻りつつあります。
サウンドこそ遥かに現代的だけど、アルバム全体の雰囲気は間違いなく70年代。

その要因のひとつとしてリフ・ワークが挙げられるんですが、2本ないし3本のギターがこれまでに
なく有機的な絡みを聴かせてくれています。生きているかのようなバッキングは聴き応えアリ。
そしてもうひとつ。これはものすごく大事な要素。アラン・レ二アのキーボード。あからさまな
シンセサイザーではなく、ハモンドおよびソレ系のアナログなオルガンサウンドは確実に70年代の
自分たちを振り返った結果だと思われます。

よく聴き込むと原点回帰と同時に、過去の彼等には見られなかった新機軸も盛り沢山。
これはボブ・ロンディネリ効果と言ってもいいと思われるリズムの多様化。オリジナルメンバーの
アルバート・ブーチャードでは多分こうはならなかったでしょうね。ハネたファンク・ビートや
曲の中間部に仕掛けられたリズム・トラップ、テンポ・チェンジなどよいフックになってます。

彼等のパーソナリティであるヒンヤリとした哀感、ねじれた美しさ、不安を煽る怪しさは
ここに至って、より顕著になりましたね。かつてのような知的かつ狂った感じは薄いのですが。

メデイアの評価なんかどうでもいい。言葉にすると陳腐になるけど、僕の評価は最高傑作です。

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