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IIII / FARSOT
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-01-13 18:46:59)
2007年発表の1st。
ブラックメタル特有の、ざらついた音質のリフによる音塊に、時に叙情的に、時に不気味さを伴うメロディを流し、情景を描写するスタイルのメロブラですね。

メランコリックな泣きメロやアコースティックギターをフィーチャーし、叙情的な、ある意味で親しみやすい一面を見せたかと思えば、幽玄で不気味なキーボードを配したり、ブラックの得体の知れない邪悪なメロディを垂れ流し、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出したり、まるで様々な表情を人知を超えた所で見せる自然を思わせる作風は、情景的にもスタイル的にもWOLVES IN THE THRONEROOM辺りと共通するものがありそう。

ただ、WOLVES~と比べると、よりメロディが前に出る部分では主張が強いものになっていたり、ヴォーカルが悪意的ながなり声で、咳き込みも見せるなど邪悪なパフォーマンスを演じていたり、より表現が分かりやすい感じがしますね。よく言えばハイライトの多い作風、悪く言えばあざとく聴こえなくもない作風だと思う。確かに身を切るような感覚では向こうの方が上かもしれませんが、個人的にはメロディ志向・邪悪さ重視志向の強いこのバンドのほうが好きだったりします。

WOLVES~と比べると大分マイナーですが、こっちも負けず劣らずの物件ですよ。情景描写重視型のメロディック・ブラックが好きなら見過ごしてはいけないアルバムです。

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