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Line-Up / GRAHAM BONNET
火薬バカ一代 ★★★ (2011-02-20 01:01:00)
当たりハズレの多い・・・というかHR/HMファン的には圧倒的にハズレの方が多い(?)グラハム・ボネットのソロ・アルバムだが、盟友コージー・パウエルにジョン・ロード、ミッキー・ムーディ、ラス・バラードといった豪華な面子の協力を得て制作された本作('81年)は、大当たりに分類されて然るべき大名盤。
無論、RAINBOWやM.S.G.、ALCATRAZZのような様式美HMワールドを期待すると肩透かしは確実だが、オールディーズ風の楽曲から、シンセ・ベースや鳴り物を取り入れたポップな楽曲まで、伝家の宝刀である青筋パワー・シャウトは控えめに、リラックスした歌声を伸び伸びと聴かせてくれるグラハムのパフォーマンスは、これはこれで非常に魅力的。本作を聴いて漸く自分の中で、やっさんとポップ・シンガーのイメージが繋がりましたよ。
ガタガタと鳴りまくるコージーの特徴的なドラムが、ライトタッチな作風に「喝」入れてくれる本編は、スマッシュヒットを飛ばした先行シングル①、歯切れ良くポップな②、Keyの使い方やベタなコーラスが昭和ニュー・ミュージック風の雰囲気を醸し出す③、力強い曲調と“哀愁のヒーロー”なる邦題もイカしてる⑤、KINKSの名曲を見事消化した⑪・・・といった具合に優れた楽曲がズラリ顔を揃えているが、やはりハイライトは、後に西城秀樹もカヴァーした名曲①でしょう。コージー、ジョン、ミッキーがそれぞれの持ち味を120%発揮した、キャッチー且つ都会的な哀愁を湛えたこの曲を聴くためだけにでも、本作は買う価値大いに有りだ。

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