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mind soap / RAPHAEL
火薬バカ一代 ★★★ (2011-02-20 18:20:14)
ビジュアル系はチェックの対象外だったのだが、本作リリース当時('99年)、DISKUNIONにて配布されてたフリーペーパーに奥村裕司氏が推薦文を寄せていたのを読んで、思わず購入してしまったRAPHAELのデビュー作。
そんなわけで、このバンドについては何も知らないのですが、取り敢えずここで聴く事が出来るのは、ネオクラシカルなフレーズを次々に繰り出してくるGと、楽曲を華麗に彩るKeyをふんだんに取り入れて疾走する、ドイツや北欧のメロパワ・バンドに通じるドラマ性を湛えた様式美HMサウンド。
スピーディな楽曲をズラリ揃えた上げ上げな内容にも関わらず、攻撃性よりも、上品且つ優雅な雰囲気が支配的な辺りはV系バンドの面目躍如といった趣きで、ナイーブな歌詞世界や、この時期のこの手のバンド独特の、奇妙なファルセットとビブラートを駆使したシンガーの歌唱スタイルに地獄突きをお見舞いしたくなる向きもあろうが、ともあれ彼が歌う、妖しくも憂いを帯びたメロディはかなり魅力的。特に③④⑨は、劇的に疾走する楽曲自体のカッコ良さと組み合わさって、メタル魂を揺さぶられずには居られない名曲に仕上がっている。
初期ANGRAがイケる口の人なら案外違和感なく楽しめる1枚だと思うのだが、耽美色が強く打ち出されている⑤のノリを受け入れられるかどうかが、本作を堪能できるか否かの分水嶺かな?と。

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