この曲を聴け! 

Filth Hounds of Hades / TANK
火薬バカ一代 ★★★ (2011-02-26 01:10:39)
パンク畑出身のアルジー・ワード(Vo、G)と、ピート(B)とマーク(Ds)のブラブス兄弟が出会った事により誕生したTANKが、MOTORHEADのメンバー(本作のプロデュースを手掛けているのは“ファスト”エディ・クラーク)と、そのマネージメントの援護を受けてレコーディングを行い、デビュー・シングル『DON'T WALK AWAY』('81年)に続いてKAMAFLAGE RECORDSから'82年に発表した1stフル・アルバムがこれ。(邦題は『激烈リフ軍団)
いかにも「MOTORHEADの舎弟」的なシンプルでソリッドで埃っぽいロックンロールを根っこに据えつつ、パンキーなノリの良さ、へヴィ・メタリックな切れ味の鋭さ、そしてアルジーの男気溢れる濁声Voが一丸となって疾走するハイエナジーなサウンドは、VENOM、RAVEN、ANGEL WITCHらと共に「元祖スラッシュ・メタル」としてリスペクトを受けるTANKならではの攻撃性と炸裂感を併せ持っており、特に、機動力に富んだキャッチーなGリフは有無を言わせぬカッコ良さ。
捨て曲ならぬ捨てリフ皆無の本編の充実っぷりは、流石「激烈リフ軍団」の面目躍如といったところで、中でも初期TANKの破天荒な魅力が凝縮されたスピード・ナンバー①②⑨、聴いてるだけでメートルが上がってしまう(タイトルからして最高に奮ってる)④、メロディアスに本編を締め括る⑩、そして激走するリズムの上に、男の哀愁を背負ったアルジーの濁声が乗っかったアルバムのハイライト・ソング⑥(後にSODOMもカヴァーしましたっけね)は特筆に値する名曲かと。
「ドラマ性と哀愁分を増量した4th『HOUNOR & BLOOD』こそTANKの最高傑作」と信じて疑わない我が身には、ややシンプル過ぎる作風なれど、それこそが本作の魅力である点もまた理解できる1枚。

→同意