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EMERGENCY / NEGAROBO
火薬バカ一代 ★★★ (2011-03-21 00:43:09)
早坂雅史(Vo、G)を中心に結成され、現在は故樋口宗孝の後任としてLOUDNESSに籍を置く鈴木政行(Ds)も在籍していた北海道出身の4人組スラッシャーが、'97年に残した唯一のフル・アルバム。
丁度、新たに勃興した「メロディック・デス・メタル」ブームの盛り上がりに押され、オーソドックスなスラッシュ・メタルが今ひとつ注目を集め難い時期だった事が災いし、雑誌等での高評価にも関わらず大きな話題になる事なく埋もれてしまった感のある本作だが(推測)、鋭利且つ高速でシュレッドされるGリフと、立ち塞がるもの全てを薙ぎ払うかの様に荒れ狂う鈴木のDsを軸に、猛然と突っ走るストレートなスラッシュ・サウンドは、往年のSLAYERやSEPULTURAといったバンドの衣鉢を継ぐカッコ良さ。
俯瞰で見ると、Gが兼任するVoの存在感がやや埋没気味なれど、安易にデス声に逃げず、その数歩手前で踏ん張った咆哮はデス声が苦手な我が身にはありがたいし、何より、尖がったGリフの刻みから、印象的なフレーズを滑らかに奏でるソロ・パートまで、楽曲にフックとメリハリを演出するGワークが、その穴を埋めて余りある素晴しさ。
頭抜けた名曲は見当たらないが、それは収録楽曲の平均レベルが高い事の証左。全8曲で30分、一瞬たりともテンションを下げることなく、一気呵成に突っ走るカタルシスに満ちた1枚。
昨年刊行されたMETALLION誌において、「スラッシュ・メタルの必聴盤200選」に選出されたのも納得の1枚かと。

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