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Possessed by Fire / EXUMER
火薬バカ一代 ★★ (2011-03-29 22:21:16)
VENOMの登場に衝撃を受けたメム・フォン・シュタイン(B)が音頭を取って結成、彼の父親が提案したバンド名「EXHUMER」からHを抜いて「EXUMER」を名乗ったドイツ/フランクフルト出身の4人組スラッシャーがDISASTER RECORDSから'86年に発表した、ジャケットに描かれたジェイソン風怪人のインパクトも十分なデビュー作。(イラストレーターがアルバム・タイトルからイメージを膨らませて創作したキャラクターなのだとか)
個性派スラッシュ・メタル・バンドが群雄割拠するドイツにあって独自色を強調するため、「THE U.S. TRASH METAL BAND FROM GERMANY」を目指したという彼らのサウンドは、破壊的に刻まれる禍々しいGリフや、狂ったように掻き毟られるGソロ辺りにSLAYERからの影響を滲ませつつ、基本はVENOM直系のゴリ押しスラッシュ路線を爆走。演奏力はやや覚束なく、音質もしょっぱいが、「でも演るんだよ!」とばかりにガムシャラに押し出してくる喧しい楽曲の数々と、全編を覆うヨーロッパ的ダークネスが本作に独特の色合いを付与している。
特に、不穏なイントロを荒々しく引き裂いてスタートする②、緩急の効いたドラマティックな③、唐突に繰り出される「躁」パートに意表を突かれる⑥、印象的なGソロが疾走して行く⑦、ラストを仰々しく締め括る⑩なんかは、繰り返し聴き込んだ覚えがある名曲だ。
本作発表直後に中心メンバーのメムが脱退し、バンドは2枚の作品を残して解散するも、00年代に入って再結成を遂げた・・・らしいが、現在に至るも新作アルバムを発表したという話は聞こえてこない。

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