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Oliver Magnum / OLIVER MAGNUM
火薬バカ一代 ★★★ (2011-03-30 08:28:39)
嘗てBURRN!!のレビュー・コーナーで、和田誠氏から「一度聴いてタンスの肥やしにしてしまったぐらい酷い」とコキ下ろされてしまった、オクラホマ州はエニド出身の5人組パワー・メタラーが、「うんこ製造レーベル」「ポンコツ・メタル梁山泊」等、散々な悪名で親しまれる(?)アメリカのタコ部屋レーベルことNEW RENAISSANCEから'89年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
FORTEの1st『STRANGER THAN FICTION』(名盤!)で歌っていたシンガー、ジェイムズ・ランデルが在籍していたバンドとしても知られる彼らだが、実際本作は、アメリカン・パワー・メタルの様式に則った劇的なGリフの数々といい、活発に動き回り楽曲にアクセントを加えるBといい、リフにソロに、センス良くまとめられたフレーズを閃かせるGといい、その音楽性は『STRANGER~』との共通点が多い(あの作品をもっと正統派HM寄りにした感じかな)。ジェイムズの歌唱も、FORTE時代に比べると線が細くやや頼りない感もあるが、勇壮なメロディを熱く歌い上げ、楽曲の魅力向上に大きな貢献を果たしている。
取り分け、起伏に富む②(『METAL MASSACCRE IX』にも提供)、泣きを伴ってハードに盛り上がっていくパワー・バラード④、雄々しくドラマティックなエピック・ソング⑧、それに何より、憂いを帯びたメロディが劇的且つシャープに疾走する⑤辺りの楽曲は、冴えない音質やモタるDsといった本作の弱点を差し引いて尚、鮮烈な輝きを失わない名曲じゃないかと。
タンスの肥やしどころか、捨て曲皆無の「B級メタル隠れた名盤」として愛して止まない1枚ですよ。
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