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Mythology / VOLCANO
火薬バカ一代 ★★★ (2011-04-07 22:58:45)
アニメ番組の劇中歌を手掛けたり、特撮ヒーロー物のトリビュート・アルバムを作ったりと、近年は課外活動に勤しんでいた屍忌蛇(G)率いるVOLCANOが久々に発表した3rdアルバム。
2nd『DAVI』のリリースからかなり間が空いてしまったが(EP『VIPER'S PATH』の発表すら'05年だ)、スラッシュ・メタルや北欧メロデスを彷彿とさせるスピーディでブルータルなリズムの上で、金属的色艶と硬質感を湛えたNOVの歌声と、エモーショナルに咽び泣く屍忌蛇のGとが渦を巻く、唯一無二のVOLCANO流HMサウンドは不変。流石にデビュー作『VIOLENT』程のインパクトはないものの、妙に窮屈に感じられた『DAVI』よりはずっとキャッチーで、肩の力が抜けた聴き易い仕上がり。
ピアノによる流麗なイントロから爆発的な疾走へと転じるOPナンバー①や、その勢いをバイオレントに受け継ぐ②、アコギを有用しドラマティックな緩急が演出された⑥、メロパワ風味漂う⑨、悶絶モノのGソロと共に疾走するラスト・ナンバー⑩等は、多くのファンが聴きながら握り拳固める姿が目に浮かぶようなカッコ良さ。
屍忌蛇が作り出す泣きメロは時に歌謡曲的なベタさを発散するため、この辺は好き嫌いが分かれるところかもしれないが、個人的にはストロングな楽曲とドメスティックなクサメロのギャップもこのバンドの魅力の一つと捉えているので無問題。濃厚な哀愁を漂わせつつ劇的に展開していく⑤なんてアルバムのハイライトに推したいぐらいの名曲ですよ。
そんなわけで、ファンの期待に見事に応えた1枚だと思う。ただ、サウンド・プロダクションはこれで良かったの?

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