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The Final Frontier / IRON MAIDEN
松平定信 ★★★ (2011-04-11 20:00:36)
このアルバム・・・ブルース復帰後の最高傑作である。
まず音が良い。ドラム・ギターサウンドが非常にクリアーである。
クイーンズライチのOPERATION MINDCRIME的な空間を錯覚する。
続いて曲全体に起伏がある。曲個体を聴くのではなく、
コンセプトアルバム的な構成として聴けば流れの良さを感じることができる。
MAIDENにキラーチューンが求められてしまうのはこのバンドの宿命なのかもしれない。
しかし、大ベテランの領域に達した彼らにそれをもう求める必要はない(ライブでは充分おつりがくるほど既にそろっている)。
本作でMAIDENが到達した”現代”のヘビーメタルへの挑戦は高く評価されてよい。
それと同時に、本アルバム以降、各メンバーは独自の活動をしてもよいのではないかとも思った。
ブルースの歌唱は今のハリスの曲に「あわせて」歌うには窮屈である。それはギリギリの緊張感をもたらした側面があるが。
この感想は裏をかえせば、ハリスの作曲路線(プログレ的)と、「稀代のボーカリスト」ブルースが自由に歌える活動の双方向の針路を示唆している。
もちろんアニバーサリー的なツアーやフェスティバルのヘッドライナーでは再結成の形で。
FINAL FRONTIERという一つの到達点に着地した彼らの未来に思いをはせれば、WHEN THE WILD WIND BLOWSがMAIDENとしてのエンディングにふさわしいと思った。
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